モエさんは「瑛利奈の占星術チャートハウス」のユーザさん。
一昨年知り合った遠距離の彼と去年から疎遠になり、ものすごく悩んでいます。最後の頃には彼に別な彼女が出来てしまいました。彼はモエさんとは「もう終わったはずだ」と主張して会ってくれないのですが、モエさんは「もう一度会いに来て欲しいという望みを捨てきれないものがある」そうです。そこで★彼との相性★を占うことにしました。
 二人の出生データは伏せて欲しいというモエさんからのご希望により、シナストリー・グリッドという天体のポイント同士のアスペクトで観てみました。これだけの情報で相性がどこまで読み切れるでしょうか?とりあえず、リーディングを始めましょう。

モエさんと彼との相性は?
   横---モエさんの天体の位置 タテ---彼の天体の位置
このチャートはAstrolabeのSOLFIREで作成されています。
モエさんのの恋愛傾向は?

 まず、モエさんのネータルチャートのアスペクトをざっと観てみます。
左の図(グリッド)では分かりませんが、太陽が海王星とトラインでやさしさと夢が多い女性です。
また、ASCに太陽がコンジャンクション太陽と同じサインに火星、水星があり、主体性は抜群、マイペース型です。自分の夢を頑固に貫く方なのかも知れません。

 また金星のアスペクトはどうでしょうか?---
金星は他の天体からのサポートも多いですが、土星と合です。土星は彼女の★愛の星★金星を自己の管理下に置いて監視しています。このアスペクトの下で金星側は土星化されてしまい、金星本来の感覚的な行動が押さえられてしまいます。このため愛の進め方がついつい理詰めになってしまいます。

 太陽と金星の状態から判断すると彼女は相手の愛を引き出し、反応するのが苦手なようです。しかし生真面目な性質なので、ひとたび彼女の方針を固めるとあくまでもその方向へ進んで行きます。結婚したら安定するタイプですが、プライドの高さと、金星にコンジャンクションの土星の作用によって、相手の愛の強さを確認して、駄目押ししないと前に進めないのです。
従って「愛される」ことによってのみ幸せを得られると考えていいでしょう。
 ■彼の恋愛傾向は?■

 彼もやはりマイペース型のようです。その上行動から見ると好奇心旺盛です。★愛の星★金星は他の天体とのアスペクトは多いですが、いざとなると急に慎重になるタイプです。彼も最終的に相手に迎合できないし、「愛されたい」人なのでしょう。モエさんと彼、二人とも同じ役割に回ることになってしまいます。


■いよいよシナストリー(相性診断)です■

 こちらのグリッドの解説からしましょう。
いちばん上の段に横に並んでいるのがモエさんの天体、左端にタテに並んでいるのが彼の天体です。その天体が表示されている列上で相手のどの天体とどんなアスペクトを形成するかが分かります。

 まず、相互の天体がどのような関係になっているかを総合的に観てみましょう。
彼の天体がいちばん多く関係を持っているのはモエさんの月 です。月は太陽の光を反射するもので、見かけ上の性質を表します。彼はモエさんのルックス、落ち着いた雰囲気、控えめな行動などに好感を持ったのでしょう。
 次に多いのが冥王星です。こちらは月とは正反対で、深層心理や存在の根っこになっている10大天体中最も深い部分を意味する惑星です。モエさんの内なる意志=深層心理に彼の天体が深く絡みを持っていたのです。しかし、この冥王星の影響力は一度や二度のデートで解るものではなく、お付き合いが深まるにつれ徐々に出てくるものなのです。最初の頃、二人はこれを意識しないでお付き合いをしていたのでしょう。

 今度は逆の立場で観てみます。
モエさんの天体がいちばん多くアスペクトを作っている彼の天体はなんでしょう?海王星ですね。海王星 は地球から最も遠い天体、意味は「夢とイマジネーション」。キーワードは---「蝕知しがたい」。
彼は遠方からモエさんに夢とイマジネーションをかき立てる人なのです。彼女にとって彼の本当の気持ちは「蝕知しがたい」ので、彼女は直接彼に触れて実感したいと願います。
彼の方はモエさんに海王星の意味するところの夢とイマジネーションの女性像を投影します。そうして満足するのです。
 次に多いのは木星 です。木星 は保護や援助、寛大な気持ち、を表します。モエさんは「寛大な気持ち」で彼に接する部分が多かったのでしょう。後半、彼に別な女性が登場してから特にその傾向が強くなったでしょう。


■金星の欠落■

 不思議なのは上のグリッドでモエさんの金星 に彼の天体が全く好意的な位置から関わり(△、*の記号)を持っていないことです。冥王星はスクエアの関係です。これは他の異性が陰から妨害する暗示です。これではモエさんが彼に愛の満足や安心感を得られないのがよく解ります。換言すればあまりリアルな関係を持つべき相手ではないということかも知れません。

■狂おしい恋の期間★のエピソード■

もう一つ金星といえば、モエさんと彼の恋愛が活発だったのは---
なんと!この期間は先日私がアップした---★2001年春夏★狂おしい恋の暗示★---金星ロングラン★狂おしき愛★年表にある
「★19**年*/**〜**/*まで★ ♀**座と**座が燃えました 」---この時期にスッポリはまっているではありませんか!
これが二人の気持ちに火を付けたのでしょう。
 
■個々の惑星のアスペクト■

 モエさんと彼のチャートで相互に形成されている天体間のアスペクトを観てみましょう。
いちばんタイト(正確)なアスペクトは彼の金星 とモエさんのノード(グリッド右から4番目)のトラインです。ここにモエさんの月、冥王星、彼の金星、水星、冥王星が加わって、綺麗なグランドトラインが出来ています。ここに他の天体の刺激があれば二人の関係は非常に効果的に発展します。

★彼の金星はモエさんの冥王星 にトライン---このアスペクトは彼のあたたかい気持ちが彼女の自分自身を抑圧して歪めたこころの内部に光を当てる役割をします。彼の金星はモエさんの中に潜んでいたネガティブな性質を彼女が自らの意志で変貌するように仕向けました。彼のモエさんに注いだ愛情はモエさんの自己浄化のプロセスの入り口を示したと言えましょう。

★彼の冥王星が彼女の月にトライン---彼の冥王星はモエさんの中にある直さなければならない欠点を訂正して、モエさんを素晴らしい女性に変えさせようと試みます。彼の冥王星の刺激により、モエさんの月は無意識の痛いところを突かれたり、感情的に激昂しやすい部分を露呈したりします。日常では知ることが出来ない自分のこの感情をモエさんは彼との交際の上で知っていきます。
モエさん!今回のように怒ることは日頃はあんまりないのでしょう?
彼の冥王星はその部分に光を当てるためにモエさんに関わって来たのです。星の暗示は「この部分を反省して、自己を改善しなさい」と言っています。

★その他の特徴としては太陽同士のタイトなスクエアです。太陽は「人生観」「本質」を表すので、お互いに自分の生き方、主張を貫くといつか摩擦が起きることでしょう。辞書にもあるとおり、スクエアは主張が確執を生み、相互に否定し合う関係で、両立することはありません。どちらかが他方を打ち負かして戦いは終わります。(立場が逆転することはあります)この関係は刺激に満ちているので、最初はとても魅力的に見えるかも知れません。また、自分を変えたいと望んでいる人には有用なアスペクトでしょう。
彼はモエさんに打ち負かされたくないので、逃げたのかも知れません。

★もう一つの特長:彼の水星とモエさんの水星はスクエア---同じ天体同士のスクエアは非常に難しいものがあります。何故なら役割が同じだからです。親子のように大人にもなれず、男女のように甘くもなれない、といったところです。
また、水星は「通信」「コミュニケーション」を表す惑星です。モエさんと彼の場合、遠距離なので、コミュニケーションのためにメールや電話など通信のメディアはどうしても必要。
しかしそれを司る水星同士がスクエアとは痛いですね。モエさんの水星は彼の天体からハードな刺激のみ受けています。唯一のイージー・アスペクトはMC。彼の「仕事を通じて関わっていくのがベスト」だということです。


2001年の2月現在、トランジットの土星が二人のグランドトラインのポイントを通過中です。
土星とは不明確なものに光を当て、リアルな認識をして、現実に即応するように仕向ける惑星です。に刺激されているときはあんまり幸福感はなく、内省的になります。自分自身の生き方をチェックして、反省するときなのです。
モエさん、彼がモエさんとのお付き合いを通じて目覚めさせてくれたことをこころに抱いて、今は自分を磨くことに努力して下さい。
彼がモエさんをどう思っているのか?会って質問しなくても星が答えてくれています。
 モエさんの潜在意識中の「女性性」「母性」を目覚めさせて、日常では感じることが出来ない感情を惹き起こさせてくれた彼、---これだけで彼と出会った意義は充分あったと思いませんか?この宿題をこころに秘めて未来の本当のパートナーのために成長して下さい。

かなりキツイリーディングになりましたが、モエさんがしっかりした主体性の強い女性だということを考えて敢えて辛口に書きました。
 モエさんの今年のプログッションを観ると人生最大の発展が期待できそうです。未来に向けて進んで下さいね。

FEB. 9.2001                       瑛利奈

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